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2024.02.03

TOMUYA’s note: 目白村だより(パリは霧に濡れて)

- note https://note.com/tomuya_e/n/n2339a2a7382f


昨年は、九月から十二月まで
毎月テーマを変えたLIVEを、敢行したが、我ながら、新曲ばかりで、はらはらしどうしであった。
しかし、過ぎてみて、やはり自分が得た事は、大きい。
それは、あらためてフレンチ・ジャズの系譜を、歌って確認してみて、トレネ、レイ、ジャンゴ、サルバドール…と、並べた天才たちの仕事が、体系的に、自分に見えたことであった。
特に、ジャンゴは歌詞のないものばかり。それに日本語をつける大実験であったが、分かってくれた人たちがいた事が、嬉しかった。来年、もう少し掘り下げでみたい。

今年は、例年になく忙しい年になりそうで、LIVEは、休もうかとおもったが、ピアノの大貫君の予定が、珍しく空いていて3月6日に、歌うことが、決まった。

「パリは霧にぬれて」というタイトルにしたが、これは、ルネ・クレマンが、晩年に監督した、サスペンスシリーズの一本からである。
フェイ・ダナウェイが、神経症の母親役で主演。彼女の子供が誘拐される映画だが、出来はあまり良くない。
私が、フェイ・ダナウェイのアクターズスタジオ出身丸出しの神経症の演技が、どうしても受け入れられない事もあるが、贔屓目に見ても、映画の構成が、いま一つだ。
しかし、それを補うのが、主題歌だ。ジルベール・ベコーが、書き下ろした主題歌が、ここというところで、バリエーションを変えて、使われる。 
アレンジは、クリスチャン・ゴベール。彼は、もっともっと、評価されるべき音楽家で、編曲によって、フランシス・レイをあそこまで、もちあげた隠れたる天才でもある。自身にも素晴らしいアルバムがあるが、映画音楽の分野で、果たした役割りは、偉大といって良い。
「パリは霧にぬれて」は、長い彼のキャリアの中でも、一番脂の乗っていた時期の仕事である。映画主題歌が、上手に映画を牽引している。その職人技!

ポスト・ルグランだったゴベール
ルネ・クレマンは、主題歌を、特別に大事にしている監督である。
今回のLIVEは、「禁じられた遊び」「太陽がいっぱい」…と、クレマンの映画音楽に、焦点をあててみたい。 
ルネ・クレマンは、丁度
コロナの真最中に、(ラ・ロッシェル映画祭)で、大特集が組まれ、「太陽がいっぱい」の主役のボートが、展示された。私も、クレマンの日本版ポスターを展示したいと言われ、事務局に協力した。

港町ロッシェルのシンボル(冒険者たち)の舞台となった。
(ラ・ロッシェル映画祭)は、コンペティションのない映画祭で、国際映画祭とは全く違い、主役はフランスの映画愛好家である。監督だけではなく、衣装から撮影監督までも、細かい目配りで特集している。本当に、日本映画にも、この規模で、こういう映画祭があったら良いと思うのだが…。
事務局は、パリにあって、大学出たての若者たちが、運営にあたっている。目を輝かせながら、ポスターに見入る姿は、こちらにとっても、感動的であった。 
残念ながら、招待された
映画祭には、コロナで行けなかったが、若者が率先して、古いものを大切にする姿を見れただけでも、良いと思っている。

TOMUYA’S NIGHT
2024年3月6日https://tomuya-240306.peatix.com/
http://zimagine.genonsha.co.jp/